理事長所感(世界会議)

厳しい寒さの中、冬のひだまりがことのほか暖かく感じる季節です。皆様はお変わりありませんでしょうか。

1年締めくくる時期となりましたが、本号は積み残しておりました11月の世界会議のご報告をさせていただきたいと思います。私の旅行記のようになってしまうことをご容赦願います。

まず「世界会議」とは国際青年会議所(JCI)が毎年11月に主催する年に一度の最も重要な会議です。会期中は、JCI全体の組織運営に関する総会等の諸会議の他、セミナーや講演などの分科会や各種パーティーなどのプログラムが用意されています。「JCI」主催の会議ですから、まさに世界各国のJC会員が開催地に集まります。国ごとに主催されるイベントがあり、参加を通じて国際的な交流を深められる貴重な場でもあります。

その世界会議が、2023年は1114日(火)~18日(土)にスイスのチューリッヒで開催されました。非常に遠い地での開催であり行くための調整に諸々だいぶ苦労をしたというのが正直なところです。今年度の渉外担当であるJC活動支援委員会の鶴田委員長に背中を押されるようにして、どうにか25日という怒涛のスケジュールで行って参りました。甲府青年会議所からは私を含め6名が参加しました。全行程に参加することはできませんでしたが、私が参加した範囲でご報告します。

2023年度の世界会議のテーマは「Let’s Inspire: Challenge the present and create the future

(現在の挑戦が未来を創造する)」でした。

まず私が参加したのは総会Ⅱ。甲府青年会議所のメンバーである長田紗葵さんと山田朝美さんとともに出席してきました。総会Ⅱでは、2024年度のJCIの役員選出や2025年度の世界会議の開催地の決定などが行われました。

2024年度のJCI会頭には、JCIインドのカビーン・クマール・クマラベル君が選出され、副会頭には、日本から立候補した下山田敬介君(東京青年会議所)と大矢耕平君(交野青年会議所)がダブルで選出されていました。来年度はJCIの運動にますます注目したいところです。そして2025年度の世界会議の開催地はチュニジアとなりました。

翌日ははじめに「グローバルピースサミット」に参加しました。

このサミットは、日本青年会議所とJCI共催するもので、永遠の世界平和の実現をテーマに世界各国の青年会議所の会頭達(51か国)がグループワークを通じて議論するという企画でした。観覧席含め70以上の国のメンバーが参加しており、会場は大入り満員。ウクライナそしてガザ地区の紛争で今まさに世界中が自分事として考えなければならない問題となっているテーマであり、この企画の注目度の高さがうかがえました。

本サミットはグループワーク参加者だけではなく観覧席にいる参加者もリアルタイムで意見を提出できる設えとなっており、私もそれぞれのテーマについて考え私なりの答えを提出してきました。テーマは、「世界平和に必要なことは?」「各国が連携するために必要なことは?」「恒久的な世界平和についてのJCIのビジョンとは?」「JCIに勧めることは?」の主に4つでした。

私はそれぞれ、自国の利益ではなく世界の利益を考えること、オープンコミュニケーション、人々とつなげ平和について考え続けること、会員を拡大し続けること、と回答しました。理由を添えずに回答だけを載せると疑義も生じそうですが私個人の回答ということでご容赦ください。皆さんはどのように考えますか?

そして同日の夜にジャパンナイトに参加しました。

会場は主催地である日本のメンバーだけではなく、様々な国の人であふれており、こちらも注目度の高さがうかがえました。

このジャパンナイトでは、関東地区協議会の方々がブースを出展されていました。絵馬に願いを書いていただき、日本酒を味わってもらうという日本の伝統文化を味わっていただける贅沢なブースです。

甲府青年会議所からは副会長として輿石義章君が関東地区協議会に出向しています。その輿石副会長の担当ブースでしたので、私たち甲府青年会議所メンバーもお手伝いしてきました。(写真見えづらいですが、甲府青年会議所メンバーの山田さんも巫女姿で、そして長田さんは着物で、お手伝いしてくれました。各国の方にも喜んでいただけました。)

私も拙い英語でしたが通りがかった方に絵馬を書いていただき、お酒をふるまいました。一緒に乾杯して会話する機会もたくさんあり、楽しい国際交流のひとときでした。輿石副会長、担当お疲れさまでした。そして大川会長をはじめとする関東地区協議会の皆様、素敵な機会をありがとうございました。

ほとんど滞在時間はありませんでしたが、チューリッヒの街を少しだけ散策しながら、スイスの伝統料理もしっかり楽しんできました。チューリッヒの街中にはビルがなく、非常に風情のある美しい街並みでした。また、スイスはトランという路面電車のようなものが発達していました。各所に停留所がありひっきりなしに電車が来るので、移動しやすかったです。

この世界会議は、理事長という役職でなければなかなか足を踏み出せない機会でした。ASPACのご報告をしたときにも書かせていただきましたが、「平和」という大きなテーマのもとに、様々な国の方々とリアルで交流するというこの経験、笑顔で会話し握手をし乾杯をするという時間にすればほんの数分の経験が、私たちの意識を確実に変えます。その変化は小さいものかもしれませんが、非常に重要なものです。この経験を、一人でも多くの人にしてもらいたいと強く感じました。

私は卒業しますが、渉外事業は引き続き鶴田委員長に託します。ぜひ多くのメンバーを世界に連れ出してあげてください。

そして最後となりますが、実は今回の世界会議へのメンバーの参加に対し、甲府青年会議所シニアクラブ会長の名執義高先輩をはじめとする先輩諸兄より、決して少なくない額のお志をいただいておりました。チューリッヒという地での開催で各自の出費も必然的に多くなってしまうため、メンバー一同、言うまでもなく大変助けられました。温かいご支援、誠にありがとうございました。